レディース通信7月号(竹内レディースクリニック)

広報委員より    No.254  2021年7月号

梅雨明けも近づき、木立の緑がますます色濃く感じられる季節になってきましたね。今月は、附設高度生殖医療センターより不妊治療成績の指標となる顕微授精の受精率および妊娠率をご報告したいと思います。

日本には実際に体外受精などの高度生殖医療を行っている施設が約600施設以上あると言われていますが、すべての施設が同様の技術と設備を提供できるわけではありません。過半数は実施件数150周期/年未満であり、欧米並みに500周期/年以上の治療を行っている施設は全国でも38施設しかなく、当院もそれに該当します。

当院の直近半年間のART妊娠率および着床率の結果は上のグラフになります。

妊娠率(肺移植あたりの妊娠反応陽性率)は全てにおいて50(%)を上回っており、着床率(移植した受精卵が着床する確率)においても良好な成績を毎月維持できています。

日本における2017年の移植周期あたりの妊娠率は約34%であり、こちらも訳20%高い値を示しています。

次に当院で行った顕微授精の受精率です。図の黒色の線は2019年における全国40施設の顕微授精の平均受精率を示しており、75.0%となっています。

緑色の線が2020年11月から2021年4月における当院の受精率を示しており、常にこの数値を上回っています。平均値は85.1%であり、約10%高い受精率を得ています。

ART治療は採卵にて得られた卵子が受精し、移植できなければ妊娠に至りません。

その重要性を強く認識しながら受精率及び妊娠率を維持・向上できるように務めてまいります。