体外受精(IVF)

一度に多くの卵子を採取するために排卵誘発した上で採卵(卵巣から卵子を採取すること)を行い、採れた卵子を培養液の中で精子と一緒にして受精させる方法です。
適応:卵管障害(卵管閉塞、卵管水腫、卵管欠除)、男性因子(乏精子症、精子無力症)抗精子抗体陽性(免疫性不全)、原因不明不妊排卵誘発の方法は個人個人で異なります。

顕微授精(ICSI)

体外受精と同様に採卵を行い、採れた卵子の中から成熟したものに特殊な針で直接卵子の中に精子を注入し受精させる方法です。
適応:通常の体外受精で受精しない重症精子減少症、精子無力症、卵子の問題(透明帯の異常など)

受精卵凍結

受精卵を分割期胚(受精3日目)または胚盤胞(受精5-6日目)に受精卵凍結液で処理後、液体窒素中で保存を行います。採卵後に胚移植をした残りの受精卵を凍結しておくことが可能です。また、OHSS予防も考慮して全て凍結しておき、子宮内の状態を整えてから凍結胚移植を行うことも積極的に行われています。

卵子凍結

癌、血液疾患等の化学療法や放射線治療は性腺機能を著しく低下させるため、治療前に卵子を凍結保存することが可能です。完治後、妊娠に向けて、凍結卵子を融解、受精、移植します。当院においても、卵子を融解・移植し、妊娠・出産が成立しています。
また、女性の社会進出等により結婚年齢が高くなってきた時代背景を考慮し、未婚女性を対象とした卵子凍結も行っています。こちらにおいても、卵子を融解・移植し、妊娠が成立しています。

着床前遺伝子診断(PGT-SR、PGT-M)
顕微授精の受精卵を子宮に戻す前に、染色体や遺伝子に異常がないか調べて、発育可能な受精卵を選ぶ方法です。習慣性流産(3回以上流産を繰り返す)の中に、流産を引き起こす染色体異常を有する保因者の場合、何度も流産を繰り返すことがあります。着床前遺伝子診断で、流産を引き起こす染色体異常を有していない受精卵を子宮に戻せば流産を食い止めることができます。