医療法人 仁知会 竹内レディースクリニック

一般不妊治療は、「タイミング療法」と「人工授精」を指します。これらでは、精子と卵子が自らの能力に応じ体内で受精するため、
自然妊娠と何ら変わらないものです。 

タイミング療法

排卵を予測して性交タイミングを指導する方法です。もっとも自然な妊娠に近く、ご夫婦にとって負担の少ない方法です。
排卵の予測は、超音波による卵胞径の計測を主に行っていきます。基礎体温、血中・尿中のLHを参考にすることもあります。通常、排卵誘発剤を使用することが多いです。

【適応】

  • 原因不明の不妊(機能性不妊)
  • 原因因子が治療で改善されたもの

方法

卵巣や卵胞の状態の確認をします。 

月経開始~5日目に来院していただきます。
状況によっては排卵誘発剤(内服・注射)を使用する事もあります。 

排卵日を予測します。  

排卵日の直前に来院してもらい超音波や頸管粘液、尿中LH、ホルモン採血などで排卵の時期を予測します。 

医師の予想した排卵日頃に性交をとるよう指導します。 

医師が排卵日にあたるおおおよその期間をお伝えします。

排卵チェックへ来院していただきます。 

排卵の有無を超音波検査にて確認します。  

妊娠を得るには少なくとも一方の卵管の疎通性が必要なため、子宮卵管造影を施行しておくことが必要です。 

タイミング指導の期間は、通常4~6周期が適当とされていますが、女性の年齢や状況によっては早めのステップアップをすすめます。

人工授精

人工授精とは、夫の精液の中の不純物を取り除き、良好運動精子だけを回収し、子宮内に直接精子を注入する方法です

【適応】

男性因子、頸管粘液分泌不全、頸管粘液・精子適合不全、 原因不明の不妊症(機能性不妊)の方、性交障害の方 

方法

卵巣や卵胞の状態の確認をします。 

基礎体温表や経腟超音波検査にて排卵の時期を推測し、人工授精の日時を決めます。
排卵誘発剤による卵胞発育促進を併用する場合もあります。排卵誘発剤により、卵胞が多数育つ可能性があります。

排卵日を予測します。  

事前にスタッフと時間等の打ち合わせを行います。人工授精当日にご主人様に来院して頂くか、精子を持参して頂きます。
精子調整等で約1時間を要します。(院内で採取して頂く場合は採取時間により変わります)

医師の予想した排卵日頃に性交をとるよう指導します。 

細いカテーテルを使用して子宮内に注入する為、痛みはほとんどありません。約5分の処置で終わり、その後5分間ベッド上で安静にして頂きます。
当日は過度な運動は避けて頂き、日常生活、仕事には支障はありません。 

排卵チェックへ来院していただきます。 

人工授精1~2日後に超音波検査で排卵の有無を確認します。  

副作用

  • 排卵誘発剤にて卵胞が育ち、OHSSや多胎妊娠になる可能性があります。 
    (OHSS:排卵誘発剤による、卵巣の過剰反応の事です。多数の卵胞が出来ることにより、卵巣腫大・腹水貯留・尿が出ない・血液が濃縮し血栓症等の症状が現れます。)
  • 卵胞ホルモン製剤により、乳房痛や張り・吐き気・お腹の張りなどが現れる場合があります。また、まれに血栓症が現れる場合もあります。手足の麻痺やしびれ・しゃべりにくい・胸の痛み・呼吸困難などがみられる場合は病院に連絡して下さい。 

人工授精の成功率・治療の目安

  • 施設や方法により異なりますが、7~10%(周期あたり)程です。
    妊娠が成立しても流産になる可能性もあり、また異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性もあります。
  • 人工授精によって生まれた子に異常が多いという報告はありませんが、自然妊娠でも起こりうる原因不明の異常児が生まれる可能性があります。 
  • 人工授精は5回程を目安に行っています。この間に結果が得られなかった場合は、体外受精などの治療へとステップアップすることをおすすめしています。 
よくあるご質問