特殊検査
診断的腹腔鏡検査および卵管通水色素検査
全身麻酔下に臍よりカメラを挿入して子宮や卵巣の状態を観察します。
卵巣から放出された卵子はラッパのような形をした卵管采に捕捉され卵管内へ取り込まれ、卵管(膨大部)の中で精子と出会って「受精」し、ひとつの「受精卵」となります。卵巣と卵管は直接繋がっているのではなく、卵は卵巣の表面付近を漂っている卵管采の粘膜と接触して補足されます。卵管采の粘膜には微細な線毛があり卵が付着しやすい様になっています。卵管采の変形、ひきつれや捻れ、卵管周囲の癒着があると卵子を卵管に取り込むことができません。腹腔鏡検査は内視鏡にて骨盤の中にある臓器(子宮、卵管、卵巣、小腸、直腸、膀胱、骨盤壁など)間の癒着が無いかどうかを調べる検査です。また、この検査の時に卵管の通過性をみることも可能です(通水色素検査)。1~2泊の入院で可能ですが場合によっては多少経過をみることもあります。
最近では診断だけでなく、PCOの治療、卵巣腫瘍の手術、子宮内膜症、骨盤内癒着、子宮筋腫などの治療も可能です。長期的な不妊の人、通常の検査で原因不明の不妊の人、子宮内膜症、PCOなどの人は腹腔鏡が必要と考えています。ただし、腹腔鏡検査は入院が必要だったり、設備、技術の問題でどこの施設でもできる検査ではありません。
子宮鏡検査(ヒステロファイバースコープ)
子宮の中の状態を小さなカメラを使って観察します。またポリープや子宮内の異常の有無を観察することもできます。また、子宮内の血管像をみることも可能です。検査所要時間は5~10分程度です。検査する周期は避妊が必要です。
生理が始まりましたら(生理1~2日目)診療日、診療時間にお電話をして下さい。
ネット予約は出来ません。
子宮内膜組織検査
高温相で子宮の内膜組織を採取して、内膜の状態を調べます。検査後は2、3日出血が続くことがあります。
抗精子抗体検査
精子に対する抗体を持つ女性は100~200人に一人と言われていますが、原因は不明です。
女性の血液検査で精子に対する不動化抗体の有無を調べます。陽性の場合、子宮内などで精子が不動化され受精できなくなっている可能性があります。
染色体検査
妊娠しても流産を繰り返す場合などに調べる血液検査で、男性も女性も調べます。
また、無精子症のときも調べることがあります。特殊検査で結果が判明するのに約2週間~4週間かかります。
自己多血小板血漿(PRP療法)
詳しくは「PRP療法」のページをご覧ください。
PFC-FD(PRP療法)
詳しくは「PRP療法」のページをご覧ください。
感染症検査
- HBs抗原
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HBV B型肝炎ウイルスの感染の有無を確認するために行う検査
- HCV抗体
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HCV C型肝炎ウイルスの感染の有無を確認するために行う検査
- RPR
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梅毒の感染の有無とその活動性を確認するために行う検査
- TPHA
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梅毒の感染の有無を確認するために行う検査(梅毒に一度かかると常に陽性を示す)
- クラミジア IgA,IgG
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クラミジアとは、クラミジアトラコマティスを病原体とする感染症です。感染していても、症状がとても軽いため自覚症状に乏しく放置されやすく、感染が長期化し不妊や子宮外妊娠の原因になります。
生理中以外で予約されて下さい。採血で検査を行う場合は、生理とは関係ありません。
クラミジアが陽性となった場合、パートナーも同時に治療することをおすすめします。
担当医師に確認して下さい。
子宮内フローラ検査
膣または子宮内に存在する善玉菌・ラクトバチルス属の割合を調べる検査です。綿棒またはピペット(吸引方式採取器具)を用いて膣内擦過物または子宮内腔液を採取し、検査会社に提出します。検査は月経7日目〜24日目で行いますが、月経12・13日目が最も適しているとされています。結果に応じで抗生剤やサプリメント等を使用して子宮内環境を改善するように治療していきます。検体受付後3週間で検査結果が出ます。
慢性子宮内膜炎(CE)検査
慢性子宮内膜炎とは、子宮内膜に慢性的(持続的)な炎症がある状態で、着床を阻害したり、流産の原因になったりすると言われています。
検査時期は排卵後の黄体期が望ましいとされており、原則月経14日目以降になります。
検査を行う周期は避妊が必要です。