約30年前から着床前診断を実施し、多くの実績があります。
現在日本では、反復着床不全、反復流産患者を対象とした日本産科婦人科学会が主導するPGT-A 特別臨床研究でのみPGT-Aを実施することが可能です。

PGT-A(着床前遺伝子診断)とは

PGT-Aは妊娠する可能性を高め、赤ちゃんを産むことを目標とした体外受精で実施することのできる遺伝学的検査です。

流産の原因の約8割が、胚の染色体異常といわれています。
PGT-Aでは、胚の一部を採取して、胚の染色体を調べます。染色体は通常22対+性染色体2本の46本あります。受精し胚になったときに、染色体数が正常な胚では、妊娠に至る可能性が高まります。染色体数が多い、もしくは少ない胚は、妊娠しない、もしくは流産、もしくは先天性遺伝子疾患を持つ子どもが生まれる可能性があります。
PGT-Aでは、胚に染色体の数的異常がないかどうかを調べ、移植に最適な胚を選択することができます

すべての年齢の女性において胚に染色体の数的異常がある可能性があり、女性の年齢が高くなるのに伴い、染色体の数的異常がある確率が増加します。
PGT-Aを行うことで、年齢にかかわらず妊娠成功率を高めることが期待できます。
また、胚が原因の流産を回避できるため、妊娠までの移植回数が減り、より早く生児獲得できると考えらてれています。
当院でのデータでは、PGT-Aを施行して数的異常のない胚を移植した場合、妊娠率は年齢にかかわらず約80%、流産した症例はありません(2020年12月現在)。

PGT-Aのメリット

  • 胚移植あたりの妊娠率は上昇する。
  • 妊娠あたりの流産率が低下する。
  • 無駄な移植を減らせる。
  • 生児獲得までの時間を短縮できる可能性がある(海外の文献では生児獲得までの期間ならびに費用が少なく済む、という報告されています)。
  • 流産率を低下させ流産に伴う身体的、精神的負担を避けられる

PGT-Aのデメリット

  • 胚生検時の胚への損傷が起こる可能性がある。
  • 胚盤胞まで胚が発育しなければ、検査できない。
  • 極めて可能性は低いが、3倍体、4倍体等は判定できない。
  • 追加料金が必要である。

PGT-Aの限界

 検査する細胞は胚のほんの一部であり、全体を反映していない場合があります。そのため、染色体異常があると判定されても本当は生児が得られる胚であった可能性や、異常がないと判定されても流産や死産、染色体疾患をもった児の出生につながる可能性があります(診断率は100%ではありません)。